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JALT2009

全国語学教育学会 第35回 国際年次大会教材展示会

教育と学習の対話:多様な鏡像

2009年11月21日~23日 静岡県コンベンションアーツセンター・グランシップ

大会テーマ

JALTの年次大会は2009年をもって第35回目を迎えます。35歳という年はダンテが『神曲』を著した年齢でもあります。もちろん、本大会が『神曲』の第1部「地獄篇」のようになるという意味ではありません。『神曲』の冒頭にある有名な言葉、"Nel mezzo di cammin di nostra vita…(人生の道の半ばで・・・)”とあるように、35年目は大変重要な節目であります。つまり、過去を振り返るのに十分な経験を積み、同時に将来に対する期待も更に大きくなる時期ではないでしょうか。知識と経験を積み重ね、成熟期に入ったとも言えるJALT年次大会は、35年目をもって言語教育界における主要な国際学会と呼ぶに相応しいものになり、国内外から数多くの専門家にご参加いただく大会となりました。

今大会のテーマである「教育と学習の対話:多様な鏡像」は35年目を迎える意味について、様々な視点があることを表しています。それは、あたかも私たちが鏡を通して、1つの物体を色々な角度から見ることが出来るように、教育・学習の現場においても、問題への取り組み方は一つではありません。教師は自分一人で教えるものではなく、学習者も一人で学ぶわけではありません。私たちは、教えようが、学ぼうが、ものを書こうが、編集しようが、トレーニングしようが、どのような場合であっても、探求のために活発な対話をしています。このような対話の多くは、誰でもクラスでの授業のように聞くことができ、教科書のように読むことが出来る一方で、独り言のように誰の耳にも届かず、発表前の原稿やスピーチの下書きのように、誰の目に触れることもない場合も多々あるのです。

対話と同様に、鏡も物事を映し出し、更なる行動を促す刺激となるものです。鏡の中に私たちは「もう一つの」姿を見ることができます。また、鏡に近づいて自身の姿形を細部まで映し見ることも出来ます。私たちは鏡を使って、見る目を養い、合図を送り、自らの姿を見直し、空間に広がりと光を与えることが出来るのです。また、鏡は潜望鏡のように、私たちが見ている物と、私たちが立っている視点の位置の両方を反映しているのです。そして、合わせ鏡の中に作られた無数の鏡像は、複製であるだけでなく連続性を、また多面性から無限へ、を表しています。教育に関わる学会の大会委員長として、教育と学習が、広がり続ける対話の中で、綿密さと自由さの両方を兼ね備えつつ、互い鏡としての役割を果たすと信じています。言語教育は言語学習と同じく、多種多様な考え方や物の見方が関わった時にこそ開花するのではないでしょうか。ダンテが書いたように、真の知恵とは「自らは永遠に唯一のまま 九つの本質の中にて 良き物が鏡に反射した光のごとく集約する」ものです。この対話は、ただ多面的であるだけではなく、より強力なものでもあるのです。

皆様が論文提出や登録をされる時、また大会参加のため電車や飛行機に乗ろうとする時、今一度ダンテやその流れを汲む詩人たちのように、この旅の根底にあるものは何か、ということを考えてみて下さい。教育と学習の対話に参加する最初のステップは、皆様ご自身が鏡を覗き込んで見ることです。

自分の相手は誰か
この大会で、自分は誰と話すのか。自分は誰に向かって教えているのか。自分の考えを伝えたい相手は誰か。誰の話を聞きたいと思っているのか。

何が反映されるのか
自分は何を学ぶのか、また何を教えるのか。どのようなイメージが、私にあるいは私によって、増幅されるのか。

どこに向かうのか
この対話がどこへ向かうのか。聴衆がどの方向に向かうのを望んでいるのか。この取り組みはどこへ進むのか。

今大会、JALT2009は、今までの大会と同様にまた今後も、活気に満ちたコラボレーション、多面的なアイデアや教材、示唆に富んだディスカッションや興味深い考えに溢れた大会になると確信しております。世界中の参加者の皆様との連携、そして対話を今後とも継続していくことにより、新たなアイディアから行動への道が開け、聞くだけでなく話しをする機会となり、受ける立場と与える立場を提供する新しい場となることを願っております。静岡県コンベンションアーツセンター・グランシップにて、皆様との更なる対話をお待ち申し上げております。

スティーブ・コーンウェル
デリン・ヴェリティ

2009年JALT大会 大会委員長

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